[メイン] GM : 前回までのラブライブ!

[メイン] GM : [メイン] オリハ : 「嵐が来て…そのまま海に落ちて…」

[メイン] 園田美月 : 「あっ! ありがとう───」
スチャ、と眼鏡をかけると
やっと見慣れた顔の美月になった。

[メイン] 高鴨穏乃 : 「……助かったのは……私達だけ……なのでしょう、かね……?」
辺りを見渡しながら。

[メイン] 高鴨穏乃 : 「……あ!携帯!愛さん!携帯は!?」

[メイン] 宮下 愛 : 「……んーかも…?あ、携帯……」
ぼそり、と呟くが、次に携帯をみて────

[メイン] 宮下 愛 : ────”圏外”。

[メイン] 園田美月 : 「…………」
生存者。四人だけ?
そう考えた途端に、撫でられて温かくなってきたはずの背筋が凍る。

[メイン] 宮下 愛 : 「ちょっ……これこれ…!」
思わずシズを手招き。

[メイン] 高鴨穏乃 : 「むっ……!?……うぇっ……!?そ、そんな……!?故障、とかじゃなく……?」
愛の携帯を覗き込み。

[メイン] GM :  

[メイン] GM :  

[メイン] GM :  

[メイン] 宮下 愛 : 「……美月…オリハも……ダメそう?」
圏外、むざむざと突きつけられる事実から目を逸らすように。

[メイン] 園田美月 : 「…………」
携帯に目を落とし、おそるおそるスリープを解除すると

[メイン] オリハ : 首を振って。

[メイン] 園田美月 : すぐに俯いたまま、首を横に振る。

[メイン] 高鴨穏乃 : 「マジか………」

[メイン] 宮下 愛 : 「そんで……辺りには……愛さんたち4人、かぁ~……」

[メイン] 高鴨穏乃 : 「……あ!で、でも!」

[メイン] 高鴨穏乃 : 「もしかしたら!この島に人がいるかもだし!」

[メイン] 宮下 愛 : うーん、と唸り、それを味わって。

[メイン] 園田美月 : ……生存者は、本当に私たちだけのようね。
さーっ、と顔が青ざめていきそうになるが
携帯をしまい込んで、深呼吸。

[メイン] オリハ : 「気配は…いまのところ無いようだけれど…」

[メイン] 宮下 愛 : 「……人……」

[メイン] 高鴨穏乃 : 「………やっぱり……?」

[メイン] 高鴨穏乃 : オリハの方を見ながら、穏乃も、何となくそれを察する。

[メイン] 宮下 愛 : 「…いや、希望を持っておくってのは…大切だと思うよ」

[メイン] 園田美月 : 「そ、そうね、もしかすると
 人がいるかも………………と思ったけど」
オリハと、穏乃の勘は正しい。先ほどの嵐だってそうだったのだから。

[メイン] 宮下 愛 : ニカっと笑って、そう返す。

[メイン] 高鴨穏乃 : 島にある、大きな森を見つめる。
そこには、「獣」の気配はあれど……「人」の気配は、どこにも……。

[メイン] オリハ : 愛の笑みを見て、少しだけ表情が和らいで。

[メイン] 高鴨穏乃 : 「……!そ、そうですね!!……へ、へへ……!その通りです!」
愛に頷く。

[メイン] 宮下 愛 : 「それに……何にせよ、今のとこ愛さん4人達ではあるけど」

[メイン] 高鴨穏乃 : 「むぅ………そ、それなら!はい!!」

[メイン] 高鴨穏乃 : ビシッ!と手を上げ。

[メイン] 宮下 愛 : 「こうして離れられてないのは、シズのお陰でもあるしね~」
ぽんぽん、シズの頭を撫でて。

[メイン] 園田美月 : 「み 宮下さん……」
パァ、っと自身を鼓舞するように振りまけるぐらいの笑顔を見せて。

[メイン] オリハ : 「何か思いつきましたか?」

[メイン] 高鴨穏乃 : 「希望を捨てないためにも……!私が!この島の中!色々と探検しに行ってみたいと……わっ……え、えへへへぇ」

[メイン] 高鴨穏乃 : 愛に撫でられ、犬のように喜びながらも。

[メイン] オリハ : その言葉を聞いて眉を顰めて。

[メイン] オリハ : 「1人じゃ…危ないんじゃないかしら」

[メイン] 園田美月 : 「そうね……! 高鴨さんがいたから
 私たちは助かったのだから! …………あ」
撫でられ、犬のように喜ぶ穏乃を見て、少しだけ動揺しつつ。

[メイン] 高鴨穏乃 : 「はいっ!!私、山登り得意なので……だから!今こそそれを活かす機会だって、思って……!」
オリハの方を向き。

[メイン] 宮下 愛 : 「ちょいちょい!シズ一人で行くつもり?」

[メイン] 園田美月 : 「た、探検…………探検ね……」
その探検という言葉を聞いた途端に少々目を逸らす。

[メイン] 高鴨穏乃 : 「むっ……で、でも……大丈夫です!ほら!私……丈夫ですから!」
そう言い、力こぶしを作ってみせるポージングを。

[メイン] 宮下 愛 : オリハの方へと、同意するように頷く。

[メイン] 高鴨穏乃 : 「もん!」と愛に強く頷く、気合を入れるように。

[メイン] オリハ : 「いくら体が丈夫でも…道具もない、十分な衣服もないこの状態で森の中に入るのは無謀じゃないかしら」

[メイン] 宮下 愛 : 「ん~~~その意気はいいんだけどね」
あはは、と笑いつつも。

[メイン] 高鴨穏乃 : 「む、むぅぅ……それは、そうかも……ですけどぉ……」

[メイン] 高鴨穏乃 : 少ししょぼくれながらも。

[メイン] 宮下 愛 : 「そーそー……だから、愛さんもついていこうと思う!」

[メイン] 高鴨穏乃 : 「じ、じゃあ……!どうしたらいいんですか!?」
オリハに一歩近づき。

[メイン] 宮下 愛 : む、それは確かに。
とオリハへと視線を向ける。

[メイン] オリハ : その剣幕に少したじろぎつつも。

[メイン] オリハ : 「あれだけの客船の沈没…きっと誰かに伝わっているはず…海岸で救助を待つのが賢明なんじゃないかしら?」

[メイン] 園田美月 : オリハにあまり重荷にならないよう
自分はむしろ視線を向けている二人の方へと目をやって。

[メイン] 園田美月 : 「…………そうね
 けれど、ここがどこの、どういう島か……心当たりは誰かあるかしら……」

[メイン] 高鴨穏乃 : 「むっ……で、でも……」
そう言い、太陽の方へ、目を細めながら見つめ。

[メイン] 高鴨穏乃 : 「なんだか、すっごく熱いですし……」

[メイン] 宮下 愛 : 「……う~ん……愛さん、地図とかは疎いからなぁ……」

[メイン] 高鴨穏乃 : 「お水くらいは、確保したいと、思いませんか……!?」

[メイン] 宮下 愛 : 「ただ、ここがどこかって知るためにも……島を探検するのも、アリ…かな?」

[メイン] オリハ : 「確かに…水がないととは思うけれど…」

[メイン] 園田美月 : 「ええ……何日待てばいいかも
 本当に私たちを救助する船が来るかどうかも不明瞭な以上
 せめて最低限の道具や、水の確保は必要よね」

[メイン] 園田美月 : 「となると、やっぱり……
 深く入り込まない方にするのが賢明だけれども」

[メイン] 園田美月 : 「あさーく……探検する程度にはいいんじゃないかしら……ね?」

[メイン] 園田美月 : オリハの方に目をやって
今度は指示を仰ぐように。

[メイン] 宮下 愛 : 「というか……愛さんも熱すぎるし、さっきまで海水が口に入ってたから……カラカラだし」
ひーひー、と喉を仰ぎつつ。

[メイン] 高鴨穏乃 : うん!うん!と美月に同意するように、強く頷く。

[メイン] 高鴨穏乃 : 「それに……私達、服もびしゃびしゃになっちゃいましたし……」

[メイン] 宮下 愛 : ほほう、とオリハへと目をまたやる。

[メイン] 高鴨穏乃 : ぽたぽたと、服やポニーテールの先から、水が滴り。

[メイン] 高鴨穏乃 : 「もし本当に、この島に人がいないなら……火、とかも欲しいです……!」

[メイン] オリハ : 皆の言葉と視線を勘案して。

[メイン] 園田美月 : 「火があれば、島の中にせよ外にせよ
 誰かが気づいてくれるかもしれないものね
 それにきっと……夜は冷えるもの」

[メイン] 宮下 愛 : 「…ん~~……あそこにライターとか、置いてたりしないのかな?」

[メイン] オリハ : 「なら…少しぐらい遠くへ行ってもいいけれど…」

[メイン] オリハ : 「絶対1人では行動しないこと」

[メイン] オリハ : 「いい?」

[メイン] 宮下 愛 : ちら、スーツケースを見つつ。

[メイン] 高鴨穏乃 : 「!! はい!!」

[メイン] 高鴨穏乃 : オリハに力強く頷く。

[メイン] 高鴨穏乃 : 「えっと……それじゃあ……私と、島探検に付き合ってくれる方!」

[メイン] 高鴨穏乃 : 「すみませんが……よろしくお願いします!」
頭を下げる。

[メイン] 宮下 愛 : 「はいは~い!楽しそう!」
手を上げる。

[メイン] 園田美月 : 手を上げようとするが、探検の過酷さが脳裏を過ぎり
少し躊躇していると

[メイン] 園田美月 : 宮下さんが手を挙げていた。

[メイン] オリハ : 「…あと、一応道具とかもあったら持っていったほうがいいんじゃない?」

[メイン] 高鴨穏乃 : 「! 愛さん!」

[メイン] 高鴨穏乃 : 「む、道具……!確かに……!」

[メイン] 園田美月 : 「宮下さん! そうね、さっき高鴨さんについていこうとしていたものね」
乱雑に放り出されたスーツケースの方に目をやり。

[メイン] 高鴨穏乃 : 「そうですね……頑丈な紐とか……縄?そういうのがあると、助かるかもです!」

[メイン] 宮下 愛 : あまり深くは考えていない。
しいていえば、探検という方が楽しそうだ、そして喉を潤す物が欲しいと思っていたこともあり。

[メイン] 園田美月 : 「しっかり密閉していれば
 浅瀬に放り出されたスーツケースでもきっと中身は大丈夫だと思うわ
 あまり気は進まなかったけれど……命がかかってるものね」

[メイン] 高鴨穏乃 : 木々や崖を登る際は、そういったロープのようなものがあると
運動効率が上がるのだ。

[メイン] 宮下 愛 : 「ん、そう!」
美月へと頷きつつ、スーツケースへと目を向け。

[メイン] オリハ : 「こういう事態なら…仕方がありません、主もお許しになる事でしょう」

[メイン] 宮下 愛 : 「あ、そっか……山登りとか、サバイバルならシズが詳しいのか~…」

[メイン] 園田美月 : オリハの、主への信仰は
この時、とても心の頼りになるものだと実感する。

[メイン] 高鴨穏乃 : ふふん!と愛へドヤ顔を見せる、誇らしく。

[メイン] 宮下 愛 : 「まあ~…仕方ない仕方ない!神様が文句言ったら、それより助けてくれって言い返すよ!」

[メイン] 高鴨穏乃 : 「お任せください!何なら……食べれる木の実とか!そういうのも採ってきちゃいます!」

[メイン] 宮下 愛 : 冗談めかして、そんな事を言いつつ。

[メイン] 高鴨穏乃 : ビシッ!と敬礼しながらも。

[メイン] 園田美月 : 「けれど豪華客船の船旅を満喫している最中に
 サバイバル生活突入と考えていた人たちなんてきっといないでしょうから
 船の残骸から縄を探すのがいいかもしれないわね」

[メイン] 高鴨穏乃 : 「窃盗になっちゃうのは……そうですね……で、でも、緊急事態ですし……」

[メイン] 高鴨穏乃 : 「先っちょなら……?」

[メイン] オリハ : 「元気が残ってるなら…いいことだわ」

[メイン] オリハ : 「先っちょ…?」

[メイン] 園田美月 : 「先……っちょ?」

[メイン] 宮下 愛 : 「先っちょ……?」

[メイン] 高鴨穏乃 : ちょびっとだけ!みたいに、指を摘まむジェスチャー。

[メイン] 高鴨穏乃 : 「ガッツリ盗んじゃうんじゃなく……借りるだけ!」

[メイン] 高鴨穏乃 : 「それでどうですか……!?神様も、許してくれるはずだと、思いませんか……!?」

[メイン] オリハ : 「そ…そうね…とりあえず、私たちがここで死ぬことはきっと望んでいない、はず」

[メイン] 園田美月 : 「そうね、こうやって生きていられるのは神様の───…………
 それに、高鴨さんのおかげだから!」
きっと、あの時
オリハさんが祈ってくれた。その祈りが通じたのだろう。

[メイン] 高鴨穏乃 : 「!……えへへへ」
私のおかげ、と美月さんが言ってくれて、照れてしまいながらも
なんだかうれしくて。

[メイン] 園田美月 : 勝手に、私がそう思っているだけだけど
オリハさんを一瞥すると、少しだけ笑みを浮かべて。
再び乱雑に放り出された乗客の……今は遺品と考えたくない、荷物の方へと目をやった。

[メイン] 宮下 愛 : 「そう…だよね!…もし助かったらオリハの神様、毎日崇めるようにするし!」
マジで!これはガチ目のアンサー。

[メイン] オリハ : 「皆…ありがとう」
そう言ってフフッとほほ笑んで。

[メイン] 高鴨穏乃 : 「何が出るかな?何が出るかな……?」
ロープ探し、あとは軽い刃物のようなものがあれば、と考えながら
アタッシュケースを開いていく。

[メイン] 高鴨穏乃 : 「……えへへ、私も……一人じゃ、きっと心細くて……」

[メイン] 高鴨穏乃 : 「元気とか、出なかったと思うので……愛さんに、オリハさん……美月さんの、皆さんがいて、本当に……」

[メイン] オリハ : 「…大丈夫、きっと助けが来るわよ」

[メイン] 高鴨穏乃 : えへへ、と3人へ無邪気な笑顔を見せながら。

[メイン] 宮下 愛 : 「ううん、お礼を言うのは……こっちこそ、だしね~」
少し緩んだ顔でそう返しつつ。

[メイン] 高鴨穏乃 : 「むっ!これは……!!」

[メイン] 園田美月 : 「ええ、助けはきっとくると思うわ
 それに私の方こそお礼を───! 何かあったのかしら!?」

[メイン] 高鴨穏乃 : choice ロープ ナイフ 懐中電灯 えっちな本 (choice ロープ ナイフ 懐中電灯 えっちな本) > 懐中電灯

[メイン] 宮下 愛 : 「そうだね、救助も……? 何か見っけた?」

[メイン] 宮下 愛 : スーツケースを覗き込む、そこには。

[メイン] オリハ : 「これは…灯り」

[メイン] 高鴨穏乃 : 「見てください!まだ電池が入ってますこれ!洞窟とか、探検できるかも……?」

[メイン] 高鴨穏乃 : そう、洞窟ならば、水が溜まっていることもある。

[メイン] 園田美月 : 「そうね……! 洞窟なら飲める水もあるかもしれないわ!
 海水を濾過なんて頭では覚えていても、何もない状態で
 作れるわけもないから……」

[メイン] オリハ : 「とりあえず飲み水があれば…しばらくは生きていける」

[メイン] 宮下 愛 : 「おお~~、お手柄!なんかに使えそうじゃね?あ、洞窟か……!」
懐中電灯は使えそう。サバイバルで、という知識があった。

[メイン] 宮下 愛 : 「うん、後はご飯見っけなきゃ、だね~」

[メイン] オリハ : 「洞窟に行くなら…足元は怪我しないようにするのよ?」

[メイン] 園田美月 : 「それに最終手段だけれども
 ガムがあれば、電池で火起こしもできるわね…………ライターの方が
 断然お得だけれども」

[メイン] 高鴨穏乃 : 「はい!お肉とか食べたいですね……!」

[メイン] 園田美月 : 「えっ、お肉……お肉って」

[メイン] 園田美月 : 「つまり獣に立ち向かおうとかそういうのじゃないわよね……?」

[メイン] 園田美月 : 少しおろおろして。

[メイン] 高鴨穏乃 : 「大丈夫です!私、運動神経、良い方なので!ばっちりです!」
オリハにグッジョブサインを見せながら。

[メイン] 高鴨穏乃 : 「あはは~!まっさか~!ナイフとか無いので、狩りたくても狩れませんよ~!」

[メイン] 宮下 愛 : 「ふ~む……」

[メイン] オリハ : 「無茶は…しないでね、心配なんだから」

[メイン] 園田美月 : 「そ、そうよね───」
って、狩りたくても狩れません?

[メイン] 宮下 愛 : 「ナイフがあったら、狩れるのかな?」
ニヤッと笑って。

[メイン] 宮下 愛 : スーツケースを、ごそごそと。

[メイン] 宮下 愛 : choice ロープ ナイフ 懐中電灯 えっちな本
(choice ロープ ナイフ 懐中電灯 えっちな本) > ロープ

[メイン] 高鴨穏乃 : 「でっきますっ!!」
自身の胸を叩き。

[メイン] 園田美月 : まぁいいわ……と少し抑えて
宮下さんの方に目をやると。

[メイン] 園田美月 : 「!!! それって……」

[メイン] 高鴨穏乃 : 「おっ……!?それは……!!」

[メイン] オリハ : 「ロープ…運よく見つかった…」

[メイン] 宮下 愛 : 「それはまたすっごいね!?……お、ロープ!」

[メイン] 園田美月 : 「懐中電灯もそうだけれどもロープもあるなんて……
 残してくれた人にはとても勝手だけれど……ありがとうと言いたいわね」

[メイン] 高鴨穏乃 : 「愛さん!お手柄です~~~!!」
愛の方へ抱き着きながら、喜びを体で示す。

[メイン] 宮下 愛 : ラッキー、とピースサイン。

[メイン] 園田美月 : 「ええ! 宮下さんってばくじ引きの運が本当に良いわね!」

[メイン] オリハ : 「そうね…なんとか有効活用しなければ…」

[メイン] 高鴨穏乃 : 「あっ……そういえば体、びしゃびしゃでした……!ごめんなさい!」

[メイン] 宮下 愛 : 「わっぷ……へへへ!!ありがと、シズ!」
抱き着かれ、これもスキンシップの内と頭を撫で返し。

[メイン] 宮下 愛 : 「あ~~~ん~~~」

[メイン] 高鴨穏乃 : 撫でられ、ワンコみたいに、えへへと喜びながら。

[メイン] 園田美月 : あっ! 抱き着かれて、それにまた撫でて……
高鴨さんがまた犬みたいな反応をして……

[メイン] 宮下 愛 : 「丁度暑かったから、むしろ────脱ごう!」

[メイン] 高鴨穏乃 : 「ぬぁんとっ!!?」

[メイン] 園田美月 : ちょっとだけ、ムッとしつつ
ケースの方に手をやろうとすると、衝撃の一言が聞こえる。

[メイン] オリハ : そんな様子を微笑ましく眺めながら……

[メイン] 園田美月 : 「え"!?」

[メイン] オリハ : ん?

[メイン] 宮下 愛 : ばさっ。
どさっ。

[メイン] 高鴨穏乃 : 脱ぐ……!!

[メイン] 宮下 愛 : 「じゃん!」

[メイン] 高鴨穏乃 : 「わぁあ~~っ!?み、水着ですか!?それ!?」

[メイン] 宮下 愛 : 船に乗って、海で泳ぐのが待ち遠しかった愛は。
水着とかその他諸々を着込んでおいたのだ、服の上に。

[メイン] オリハ : 「えっええっ!?」

[メイン] 高鴨穏乃 : それにしては……ちょっと露出度が、高いような……!?

[メイン] 園田美月 : 「な なななな……」
"ただの水着"でも下着でもない虎柄(?)の……

[メイン] 高鴨穏乃 : ドキドキドキ、と心臓が鼓動してしまう。

[メイン] 園田美月 : 「何よそれ~~~!!!」
ドキドキと、自分の中で何かが上昇するのを感じて。

[メイン] オリハ : 「あ…愛さんその恰好は…?」

[メイン] 高鴨穏乃 : 「む、むぅぅ……えっと、えっと、で、でも……そう、ですね……」

[メイン] 宮下 愛 : 「そーそ!これさ~、プレゼントで貰ったんだけど、一回来てみたくて!」

[メイン] 高鴨穏乃 : 「この島……多分、熱い地方とか、そこらへんにあると思うので……」

[メイン] 高鴨穏乃 : 「水着の方が、むしろ過ごしやすいのかも……ですかね……?」

[メイン] 高鴨穏乃 : 「プ、プレゼントですか……い、一体、誰から、ですかね……?」

[メイン] オリハ : 「ひ、日差しで頭がやられてない…?」

[メイン] 宮下 愛 : 「気に入ってくれなかった~?」
と、美月へと目をやりつつ。

[メイン] 園田美月 : 「プレゼント…………
 あっ ああっ! 宮下さんはスクールアイドルですものね!」
どう考えても繋がりが見当たらないが、変に納得する美月会長

[メイン] 園田美月 : 「え、ええっと!? えっ えー……
 い、いえ、すっごく素敵よ? 宮下さん……」

[メイン] 宮下 愛 : 「おじさん?なんかアイドルの仕事終わったらもらった!」

[メイン] オリハ : 「ええ…?だ、大丈夫なのかな…」

[メイン] 宮下 愛 : むー、っとオリハに唇を突き出しつつ。

[メイン] 高鴨穏乃 : 「おじさん……!?」

[メイン] 高鴨穏乃 : ちょっぴり、いやらしいような雰囲気を感じつつも。
でも、合理性(?)はあるように感じられるため……。

[メイン] 園田美月 : 「おじさ…………
 …………」
そういうものなのかしら、と、余計に納得してしまう美月会長。

[メイン] 宮下 愛 : 「あ~あ~、サプライズできこんできたのに、シズしか納得してくれない~」

[メイン] 高鴨穏乃 : 「水を吸っちゃった服のまま、島を探索するのもなんですし……それなら、私も!」

[メイン] 宮下 愛 : ぶーぶー、言いながらぎゅっとシズを抱きしめつつ。

[メイン] オリハ : 「!?」

[メイン] 園田美月 : 「!!!」

[メイン] 園田美月 : 「待った~~~~~!!!!!」

[メイン] 高鴨穏乃 : そう言い、アタッシュケース内にあった水着を手に取り
そしてそのまま─────

[メイン] 高鴨穏乃 : その場で、脱ごう、と。

[メイン] 高鴨穏乃 : 「もん?」

[メイン] 高鴨穏乃 : 手を止める。

[メイン] オリハ : 「ま、ま、待って!?」

[メイン] 宮下 愛 : 「え、ちょいちょい!?」

[メイン] 高鴨穏乃 : 「えっ、えっ?」
おろおろと。

[メイン] 園田美月 : 「そ その いくら私たち 仲が良いからといっても
 その! 軽率すぎるというか何というか え えーっと
 あ! 水着を着るなら……」

[メイン] 園田美月 : 近くの岩陰を見る。

[メイン] 園田美月 : 「あ あそこで!
 大丈夫よ! 覗かないから!」

[メイン] 高鴨穏乃 : 「むぇ? だ、だって私達……女の子同士、ですよね……?」

[メイン] 宮下 愛 : それは恥ずかしくない!?というライン。

[メイン] オリハ : 「そ、そういう問題なの…?」

[メイン] 園田美月 : 「ええ!?」

[メイン] 高鴨穏乃 : きょとん、と美月の方を見ながら。
小首を傾げ。

[メイン] 高鴨穏乃 : 「だってこの島、他には誰もいなさそうですし……そうですよね?オリハさん?」

[メイン] 園田美月 : 「お 女の子同士でも
 …………」
更衣室だと確かにそうかもしれないけどぉ……! 宮下さんの水着姿を視界の端にちらりちらりと見えて、爆発しそうな美月会長。

[メイン] オリハ : 「う…うん、人影は見当たらなさそう…」

[メイン] 高鴨穏乃 : そうしてそのまま、脱ぎ始めてしまう。

[メイン] 宮下 愛 : 「いやいや、だからって素っ裸にはならないよね…!?」

[メイン] 高鴨穏乃 : 「よいしょっと……!よいしょ、よいしょっと……!」
ぬぎぬぎ。

[メイン] 園田美月 : 「きゃぁああ~~~!」
と悲鳴をあげる割に、両手で顔を覆いはしない。

[メイン] 高鴨穏乃 : すっぽんぽん状態を経由してからの。

[メイン] 高鴨穏乃 : 「─────どや!」

[メイン] 高鴨穏乃 : 動きやすそうな競泳水着姿に。

[メイン] 宮下 愛 : え、ちょっと!?
……あれ、何だか恥ずかしい……?いやでも、なんか、ヘンな気持ち……

[メイン] 園田美月 : 「…………」
着替える瞬間だけは目を思いっきり瞑っていたが
おそるおそる目を開くと。

[メイン] 園田美月 : 「あ、あら……って……!」
背中を見せつけられた瞬間。

[メイン] 高鴨穏乃 : 「これなら!海の中に潜って……海産物とか摂れそうかもです!」
腰を動かしたり、腕を動かしたりして、着心地を試す。

[メイン] 宮下 愛 : ……お、女の子同士だから、いい、はずだよね……?うん……
ま、まあいいか。

[メイン] 園田美月 : きょ、競泳水着なのよね!?
なのになぜかしら、何か……その、宮下さんに負けないぐらいの
何か、何かを感じてしまうわ……!?

[メイン] オリハ : 「ぴったり合ってて…良かったわ」

[メイン] 宮下 愛 : 「…わ、わあ……なんか……こう……」

[メイン] 高鴨穏乃 : 「ぴったり……よりは、ちょっとキツいかもです……?これ、子ども用なんですかね……?」

[メイン] 園田美月 : 「え ええええ! ええ! ええ! そう!
 ぴったり合っててよかったわ!」
オリハに続くように。

[メイン] 宮下 愛 : 「ぴったりフィットしすぎてない?これ」

[メイン] 高鴨穏乃 : そう言い、お尻に食い込んだ水着の位置を少し直しながら。

[メイン] 園田美月 : 「え ええ? そ そうかしら?
 ぴったりだと───って きゃっ……!」
また悲鳴を上げようとするが、その仕草ぐらいなら本来許容範囲だと思って
ぐっと、こらえる。

[メイン] 宮下 愛 : そう、例えばお尻とか……。
う、ううぅ!?

[メイン] 園田美月 : 「た、高鴨さん、その、もしも……いえ
 必ず帰れたら約束してほしい事が、あるわ!
 み、宮下さんもよ!?」

[メイン] 園田美月 : 「人を惑わすのは……ダメ!」

[メイン] オリハ : 「え、ええ…」
美月の反応にも怪訝な顔をしながら。

[メイン] 高鴨穏乃 : 「むっ……!はい!!……ほへ?」
美月の方を見ながら。

[メイン] 宮下 愛 : 「あ、うーん、その~……えっ」

[メイン] 高鴨穏乃 : 「まどわす……まどわす?」

[メイン] オリハ : 「う、うん!そうね!」
同調して

[メイン] 高鴨穏乃 : きょとん、とした表情で。

[メイン] 宮下 愛 : 「愛さんも、惑わしてたかな……?」
どうなんだろう、シズへと向く。

[メイン] オリハ : 「私たちならいいけれど…あんまり他の人の前でこういう恰好しちゃだめよ?」

[メイン] オリハ : 「ね?」
と美月に視線

[メイン] 高鴨穏乃 : 「愛さんのは…………」
じっと、横目で見ながら、意味深に無言に。

[メイン] 高鴨穏乃 : 「むぅ……そ、それは!分かってますよ~!」

[メイン] 園田美月 : 「え ええ! そうよ!
 それに仕草にも気をつけて……! 私たちだから
 大丈夫なだけ なのよ!」

[メイン] 高鴨穏乃 : 「だって、愛さんにオリハさん、美月さんは……私の、尊敬する……」

[メイン] 宮下 愛 : そりゃまあ……シズは可愛いけど。
なんか小動物的な可愛さであって、”どきどき”は、また別…だと思う、んだよなあ……。

[メイン] オリハ : 美月の反応に含みを感じたが。

[メイン] 高鴨穏乃 : 「大好きな先輩方で!……だから、信頼してるんです!」

[メイン] 園田美月 : 「だ!?」

[メイン] 園田美月 : 「だいす」

[メイン] 園田美月 : 大好き……!?

[メイン] 高鴨穏乃 : 3人以外の前では、こういうことしませんよー!と付け加えながら。

[メイン] 園田美月 : あっいやいやいや! 大好きって違う意味よね?

[メイン] オリハ : 「ありがとう…そういう風に思ってくれて」

[メイン] 園田美月 : 「……ええ 私もその そう思ってくれて
 すっごく嬉しいわ だから私たちも何かあれば
 守るからね!」

[メイン] 宮下 愛 : 「ん!へへへ、何だか照れるね~……愛さんも、みんなを驚かせたかった、ってのもあるから!」

[メイン] オリハ : 「でも、だからこそ怪我とかには気を付けてね?」

[メイン] 宮下 愛 : 頬を掻きつつ。

[メイン] 高鴨穏乃 : 「はい!!!」
元気よく返事。

[メイン] 高鴨穏乃 : 「それじゃあ……愛さん!行きましょうか!」

[メイン] オリハ : 「肌に傷が付いたら大変なんだから」

[メイン] 宮下 愛 : 「大丈夫、まーかせて!」

[メイン] 高鴨穏乃 : 「大丈夫ですよ~!唾でも着けといたら治ると思いますし!」

[メイン] 宮下 愛 : そしてシズに、グッと。

[メイン] 宮下 愛 : 「……唾」

[メイン] 園田美月 : 「な 治らないわよ~!
 高鴨さんはいつもその肌を出しがちだから慣れてるかもしれないけれどぉ……
 でも」
とあせあせと反応を取っていると、二人が歩を運び始め。

[メイン] 宮下 愛 : 「…心配が一つ増えたね、シズはよーく愛さんが見ておくから」

[メイン] オリハ : 「ええ、頼んだわよ?」

[メイン] オリハ : 「あと日が暮れる前には戻ってくること、いい?」

[メイン] 高鴨穏乃 : 「むっ……!?むむっ……!!」
子ども扱い!

[メイン] 高鴨穏乃 : 「は~~い!分かってます!」

[メイン] 宮下 愛 : 「はいはい、まかして~」

[メイン] 高鴨穏乃 : そうして愛と一緒に、湿気の多い、生熱いジャングルの中へと足を踏み入れる。

[メイン] 宮下 愛 : 「必ず無傷で帰ってこさせる!約束だよ〜!」
そう言って、歩みを進めていく。

[メイン] 園田美月 :  

[メイン] 園田美月 :  

[メイン] 園田美月 : 二人を見送った後
海岸沿いの砂浜にぽつりと残ったのは年長組の私たち

[メイン] 園田美月 : 出来る事と言えば
しけっていない木の枝をなるたけ集めながら
まだ開かれていないケースを開いて……

[メイン] 園田美月 : 時折、海の方を見る。

[メイン] 園田美月 : 「…………」
あれほど賑やかだったけれど
二人がいなくなった途端、数分も経っていないのにとても不安になる。

[メイン] 園田美月 : 「───心配だわ…………」

[メイン] 園田美月 : と、早々に口にする。

[メイン] オリハ : 「そんなに不安になってたら持たないわ、気楽に行きましょう」

[メイン] 園田美月 : 「そ そうね……」
私より一つ年上で、この状況に陥ってなお
祈り続ける彼女に勇気をもらいながら、私はケースを開く。

[メイン] 園田美月 : choice ロープ ナイフ 懐中電灯 えっちな本 (choice ロープ ナイフ 懐中電灯 えっちな本) > ロープ

[メイン] 園田美月 : 「あら……ロープがもう一本見つかったわよ」

[メイン] オリハ : 「あら…何かに使えるかもしれないわね」

[メイン] 園田美月 : 「いくらあっても足りないぐらいよ
 嬉しいわね……けれど飲料水も、何か食料になりそうな物もないわね」

[メイン] 園田美月 : 「オリハさんの方はどうかしら?」

[メイン] オリハ : 「えーと…」
そう言ってスーツケースに近づこうとして

[メイン] オリハ : 「…あっ!」

[メイン] オリハ : 刹那、美月の後ろでドサッという音がする。

[メイン] 園田美月 : 「えっ」
ロープの方に目をやっており、その声が聞こえた途端に
振り返る最中、ドサッと音がして。

[メイン] 園田美月 : 「オリハさん!?」

[メイン] オリハ : 「くぅ…いてて…」
オリハは砂にまみれながら倒れていた。

[メイン] 園田美月 : 「だ、大丈夫!? オリハさん…………
 怪我はないかしら?」
顔を覗き込む

[メイン] オリハ : 「ええ…大丈夫…ちょっと倒れただけ…」

[メイン] オリハ : そういうオリハの足元には、靴が片方だけしか残されておらず。

[メイン] オリハ : 「あ…みんなで買った靴…」

[メイン] 園田美月 : 「……!」

[メイン] 園田美月 : 高鴨さんも 宮下さんも 靴は履いていたけれど
オリハさんの履いている靴は片方無くなっていて

[メイン] オリハ : 「あはは…ちょっと失くしちゃったみたい」

[メイン] 園田美月 : 「……オリハさん、その……」
一旦、手を差し伸べる。

[メイン] オリハ : 「ありがとう…美月さん」
そっとその手を取って

[メイン] オリハ : よろよろと、起き上がる

[メイン] 園田美月 : 運動神経は抜群ではないどころか、致命的に無いに等しい美月だが
何とかオリハが起き上がるようにすると

[メイン] 園田美月 : 「えっと……」

[メイン] 園田美月 : 「あの時の 雰囲気は あの時だけの物かもしれないけれど」

[メイン] 園田美月 : 「また 私が選んであげるわよ
 帰れたら ね」

[メイン] 園田美月 : 「ちなみに くじ引きとは一切関係ないわよ」

[メイン] オリハ : 「…ええ、ありがとう」

[メイン] オリハ : 「帰れたら、ね」

[メイン] 園田美月 : 「…………待って
 ちょっと含みがあったわね」

[メイン] 園田美月 : 「絶対に帰りましょう」

[メイン] オリハ : 「…うん、絶対に帰る」

[メイン] オリハ : 言葉を反芻して、自分に言い聞かせるように。

[メイン] オリハ : 「じゃ、そのために道具を探さないと…!あと砂が熱いし、履けるものも…」

[メイン] 園田美月 : 「そうね……ビーチサンダルとかがあればいいけれど……
 やっぱりこの時期だと厳しい かしら……?」

[メイン] 園田美月 : ふと近くのケースを開こうとするが、ロックがかかっており。

[メイン] 園田美月 : 「…………お手上げね」

[メイン] オリハ : 「開かないの…それ?」

[メイン] 園田美月 : 「ええ……開かないわ」

[メイン] 園田美月 : 「何かで壊そうにも その……私はちょっと自信が無いわね」

[メイン] オリハ : 「うーん…とりあえず後回しにして、開けられそうなものから探しましょう」

[メイン] オリハ : そういって他のスーツケースから使えそうなものを探しに行く

[メイン] オリハ : choice ロープ ナイフ 懐中電灯 えっちな本 (choice ロープ ナイフ 懐中電灯 えっちな本) > ナイフ

[メイン] オリハ : 「…あ、これ…」

[メイン] オリハ : キラリと光るそれを目にして。

[メイン] 園田美月 : 「あら……? きゃっ」
すると、そこには日差しに当てられ
銀閃というべきだろうか、それほどの輝きを放つナイフが取り出された。

[メイン] 園田美月 : 「…………ナイフ? ナイフね!
 それにしっかりしてるわね……サバイバルナイフ?」

[メイン] オリハ : 「少し濡れてるけど錆びてもない…使えるわよ!これ!」

[メイン] 園田美月 : 「ちょっと無茶しても欠けたりはしないなら……
 これで片っ端からロックを壊せそうな物は壊していこうかしら?」

[メイン] 園田美月 : 豪華客船の乗客の残した物だけあり
ロックがかかっている物はそれほど厳重かもしれないけれど。

[メイン] オリハ : 「み、美月さんは出来そう…?その作業」

[メイン] 園田美月 : 「え? えっと…………」
想像力を働かせてみる。

[メイン] 園田美月 : 『えいっ!』
狂う手元
そしてその刃の先には───ケースを抑える自分の

[メイン] 園田美月 : 「っ…………できないわ……」

[メイン] オリハ : 「ん…ならとりあえず私がやってみる…美月さんはその間…枝を拾ったりとか出来ることをやってみて」

[メイン] 園田美月 : 「わかったわ! それに……ちょっと望み薄だけれど
 もしオリハさん達の荷物も見つかったら持ってくるわ」

[メイン] オリハ : 「うん…お願い!」

[メイン] 園田美月 : 美月がオリハから離れていき
木の枝を拾いつつ、遠方にあるケースを確認する様子が伺えた。

[メイン] 園田美月 : (ライターとか……もっとこうありますように……!)

[メイン] 園田美月 : choice ライター 食料(菓子類) 飲料(缶) えっちな本 (choice ライター 食料(菓子類) 飲料(缶) えっちな本) > 食料(菓子類)

[メイン] 園田美月 : ふと、枝を拾いがてら
ケースを開いてみると、そこには野田さんのお家にお邪魔した時にしか
見たことのないようなお菓子が出てきた。

[メイン] 園田美月 : 「! 食料───…………栄養は心もとないけれど
 皆喜ぶかしら……?」

[メイン] オリハ : 「美月さん…!何かあった…!?」
少し遠くから声がする。

[メイン] 園田美月 : 「ええ! 食料……というには心許ないけれど……!」
少し遠くから掲げて見せたのは、見たこともない袋菓子。

[メイン] オリハ : 「こ…これは…?」
それはオリハは見たことがないもので。

[メイン] 園田美月 : 「えーっと……?
 中身がわからないわね……原材料……成分……うん、チョコレート
 なのかしら?」

[メイン] 園田美月 : 暖かい今だとすぐ溶けてしまいそうと思ったが
袋越しに触ると、意外にそうでもない。

[メイン] オリハ : 「チョコ…レート…」

[メイン] 園田美月 : 「…………?」

[メイン] 園田美月 : 「オリハさん もしかしてチョコレートって初めて、なのかしら?」

[メイン] オリハ : 「え、ええ…たぶん…」

[メイン] オリハ : 「故郷ではこんなお菓子はなかったから…」

[メイン] 園田美月 : 「そうだったの! オリハさんの故郷……ね」
友達だけれど、オリハさんの事は実は何もわからない

この機会に

こんな状況だけれど、ふとそんな事を思いつつ。

[メイン] 園田美月 : 「そうね、オリハさん……
 あなたは私たちの為にずっと祈り続けて、心配してくれて
 それにこうやって頑張ってくれてるんだから……私や二人より先に」

[メイン] 園田美月 : すると一つだけ取り出して、ピリッと開くと。
そこにはやはりチョコレートがあった。少々形は独特だが。
甘ったるい匂いがする。

[メイン] 園田美月 : 「アレルギーとかは無いかしら?」

[メイン] オリハ : 「わぁ…いい匂い…!」

[メイン] オリハ : 「た、たぶんないはず…そういう症状は出たことないから…」

[メイン] 園田美月 : 「!」
そのオリハの言動にちょっとだけ、ぴくりと反応しつつ

[メイン] 園田美月 : 「そ、そう? じゃあ……その、えーっと」

[メイン] 園田美月 : 「あ」

[メイン] 園田美月 : 「あーん」

[メイン] 園田美月 : チョコレートをつまんで、オリハの口に運ぶ。

[メイン] オリハ : 「あ、あーん?」

[メイン] オリハ : 言われるがままに口を開けて。

[メイン] 園田美月 : 開かれた口にチョコレートを───
入れ込むと、ちょうどオリハの唇に指が当たって。

[メイン] 園田美月 : 「!」
チョコレートを口に入れたのを確認すると
さっと指を戻した。

[メイン] オリハ : 「わあ…甘くて美味しい!」
思わず顔がほころぶ。

[メイン] 園田美月 : 「……!!!」
そのほころんだ顔を見た途端に、背筋が熱くなる。

[メイン] 園田美月 : 何、この感覚。

[メイン] 園田美月 : 高鴨さんが撫でられて、犬みたいになってた時も
こんな……いえ、もっと……何かが上ってくるような感じに……。

[メイン] オリハ : 「美月さんも食べる?」

[メイン] 園田美月 : 「あっ え! わ、私はその……
 オリハさんや二人みたいにまだ頑張り切れてないから……ね?」
ちょっと遠慮しようとする

[メイン] オリハ : 「でも食べなきゃ持たないわよ?」

[メイン] オリハ : そうしてチョコレートを唇に触れさせる。

[メイン] 園田美月 : 「あっ……ん!」
唇に触れたチョコレート
その甘い匂いは何故かもっと違うところから発せられてるように錯覚する。

[メイン] 園田美月 : 「…………」

[メイン] 園田美月 : ゆっくりと口を開いて。

[メイン] 園田美月 : 「はむっ……」

[メイン] オリハ : そのまま口へ押し込む。

[メイン] オリハ : そして優しく唇を撫でた。

[メイン] 園田美月 : 「…………!」
甘い、甘いチョコが口の中で広がる。
けれど、その甘さよりも甘い物が唇を撫でて。

[メイン] 園田美月 : もはやチョコレートの味すら忘れていく。

[メイン] 園田美月 : だというのに

[メイン] 園田美月 : 顔は、きっと

[メイン] 園田美月 : オリハさんのようにほころんでいって。

[メイン] 園田美月 : 「───ありがとう」
笑みを浮かべる。

[メイン] オリハ : 「…こちらのセリフよ、あなたが食べれるものを見つけてきてくれたおかげ」

[メイン] 園田美月 : 「……うふふ、何だか元気が出て来ちゃったわね」
いえ、出てきたというより
もらった、のだけれどもね?

[メイン] オリハ : 「…それならよかった」

[メイン] オリハ : 「ならその分こちらも作業しなきゃっと…!」

[メイン] オリハ : ナイフでスーツケースのロックをこじ開けていき…

[メイン] オリハ : choice ライター 食料(菓子類) 飲料(缶) えっちな本 (choice ライター 食料(菓子類) 飲料(缶) えっちな本) > えっちな本

[メイン] 園田美月 : 「あっ! ひ、開いたわね!」

[メイン] オリハ : 「うん…なんとか!」

[メイン] 園田美月 : ロックが無理やり壊されたのを見て、喜ぶと

[メイン] 園田美月 : オリハが開く瞬間を見届けるように
まじまじとケースの方を見る。

[メイン] オリハ : その中にあったのは…

[メイン] オリハ : 「…これは、何?」

[メイン] オリハ : 美月さんに聴いてみる

[メイン] 園田美月 : 「…………」
硬直。声をかけられるまで。

[メイン] 園田美月 : 「え、えっ、えっえっえっ」

[メイン] 園田美月 : 「な、何かしら、これは?」
ふと信じがたい現実に二度目の直撃をしたかのような反応をして。

[メイン] 園田美月 : 美月はオリハがそれを手に取るより先に手に取ると

[メイン] 園田美月 : ゆっくりと、目を細めながら開く。
もしかすると違うかもしれない、と思いながら。

[メイン] 園田美月 : すると、そこには
異性が、同性が、その何というか

[メイン] 園田美月 : 「なっ、なっ、ななななななっ……!!!!」

[メイン] オリハ : 「えっと…本?」

[メイン] 園田美月 : 「なぁ~~~~~~!!!!」
するとそのまま本を遠くの方へと放り投げる。

[メイン] 園田美月 : その速度は時速150㎞を越えたッ!

[メイン] オリハ : 「ええっ!?美月さん!?」

[メイン] オリハ : 「ほ、本なら焚き木に使えるかもだけど…!?」

[メイン] 園田美月 : 「はぁ……はぁ───……
 だ 大丈夫よ オリハさん
 あなたはあなたのままでいいのよ!」

[メイン] 園田美月 : 「えっ!」

[メイン] 園田美月 : 「お オリハさん 拾いに行かなくていいわよ!」

[メイン] オリハ : 「で、でも…?」

[メイン] 園田美月 : 「触ってみた感じ しけってた気がするわ!」

[メイン] オリハ : 「なら乾かすために…投げたの?」

[メイン] 園田美月 : 「…………」

[メイン] 園田美月 : 「そ、そう!
 それに天日干しすれば ね!」

[メイン] 園田美月 : 誤魔化す事が苦手な美月は
オリハの方からそう誤魔化す理由を図らずとも作ってもらった事で
そう誤魔化した

[メイン] 園田美月 : ちょうど本も開かれた状態で遠くの方に落ちている
そのまま波にさらわれれば、無問題

[メイン] オリハ : 「ま、まあ美月さんがそう言うなら…」

[メイン] 園田美月 : 「ええ……ふうっ ふっ ふぅうう……」
ある意味、危機が去った
状況は変わらないが、オリハさんが変わらないようにはできた。

[メイン] 園田美月 : だからか、その場で尻もちをついて
力が抜ける。先ほどの馬鹿力もどこへやら。

[メイン] オリハ : その様子を見て…

[メイン] オリハ : 「少し、休憩しましょうか」

[メイン] 園田美月 : 「! ええ、そうしましょ……
 ちょうど色々と良い事が重なったから、ね」

[メイン] 園田美月 : ナイフを、ロープを、心もとないが食料を
そして───今きっと、育まれたものもあるのだから。

[メイン] オリハ : ふう…と近くに座り込んで

[メイン] オリハ : いつものように祈りを捧げようとして、ポケットから何かを出そうと…

[メイン] オリハ :  

[メイン] オリハ :  

[メイン] オリハ : ない。

[メイン] オリハ :  

[メイン] オリハ :  

[メイン] 高鴨穏乃 :  

[メイン] 高鴨穏乃 : そうして、一旦砂浜へと戻ってきた穏乃と愛。

[メイン] 高鴨穏乃 : 愛の方はというと……胸に着けていた水着が無く
そしてその水着が、穏乃の膝に巻かれていた。

[メイン] 高鴨穏乃 : どうやら、探索中に怪我を負ってしまったようだ。

[メイン] 園田美月 : 「!」
驚くが、水着が無くなっている理由がすぐにわかり
駆け寄る。

[メイン] 高鴨穏乃 : 「お待たせ二人とも~!」
少し申し訳なさげな表情をしながらも、オリハと美月へ手を大きく振る。

[メイン] オリハ : 少し胸中に不安を抱えつつ…怪我を負って帰ってきた二人を見て。

[メイン] 園田美月 : 「高鴨さん……! 怪我したの!?」

[メイン] オリハ : 「…大丈夫なの…!?」

[メイン] 高鴨穏乃 : 「あ……いやー……ほんのちょっとですよ!気にしなくても、大丈夫です!」

[メイン] 宮下 愛 : 「いやー、二人ともごめん…!愛さんがいながら、怪我させちゃった…」

[メイン] 高鴨穏乃 : ニカッ、と美月とオリハの方へ笑顔を向けながら。

[メイン] 高鴨穏乃 : 「あ!それよりもですね!!森の中で、小屋みたいなの見つけたんですよ!!」

[メイン] 宮下 愛 : 手で胸を隠しつつも、ぺこりと下げて。

[メイン] 高鴨穏乃 : 話を逸らすように、二人へ話題を。

[メイン] 園田美月 : 「だ 大丈夫? 殺菌……消毒……」
は、大丈夫そうだ
それより自分の水着を使ってまで……宮下さん……

[メイン] オリハ : 𠮟るべきか、少し美月の方を見て。

[メイン] 高鴨穏乃 : う……オリハさん、少し怒った表情……。

[メイン] 園田美月 : オリハさんとふと目があうと、ううんと首を軽く振って。
笑みを浮かべて。

[メイン] 宮下 愛 : あはは~……。苦笑い。

[メイン] オリハ : はあ…とため息をついて。

[メイン] オリハ : 「仕方ない…それで、小屋っていうのは?」

[メイン] 宮下 愛 : ちらっと、シズの方を見て。

[メイン] 高鴨穏乃 : 「あ、それはですね……!!」
そう言い、森の中にあった、少し古びており、腐食が進んではいたものの
床などはまだ頑丈な、中に何も無い小屋のことをオリハへ伝え。

[メイン] 高鴨穏乃 : 「─────そこなら!雨風とかあっても、凌げると思うんですよ!」

[メイン] 高鴨穏乃 : と、色々説明していると……あるものが目に映る。

[メイン] 高鴨穏乃 : 「……?」
きょとん、と首を傾げ。

[メイン] 高鴨穏乃 : 「あれ、なんですか?」
砂浜に目立つように落ちてる、一冊の本を指差し。

[メイン] 園田美月 : うんうん、と頷いて
穏乃の視線がどこに向いているかには気づかず。

[メイン] 園田美月 : 「あら? どうかしたのかし……ら……」

[メイン] オリハ : 「あ、あれ?」

[メイン] 宮下 愛 : 「生憎人はいなかったけど、住めそう…ではあったかな…… ?」

[メイン] 園田美月 : その時、美月会長に電流走る。

[メイン] オリハ : 「焚き木にしようかと思って今乾かしてるんだけど…」

[メイン] 宮下 愛 : その視線の方に向く。

[メイン] 園田美月 : 「え ええ そうよ
 天日干し してる のよ」

[メイン] 高鴨穏乃 : えっちな本。
女性の裸体が、堂々と表紙に映っている。

[メイン] 高鴨穏乃 : 「焚火!!な、なるほど……!!あ~!煙を上げれば、確かに……!」

[メイン] 宮下 愛 : 「……!?!?!!?」
顔が赤くなり、またも硬直。

[メイン] 高鴨穏乃 : 「ここに人がいるって、遠くにいる人に伝わるかもしれませんからね……!」

[メイン] 高鴨穏乃 : さすがオリハさんと美月さんだ……!!
だなんて感心しつつも。

[メイン] オリハ : 「そうね…そろそろ乾いたかしら?」

[メイン] 園田美月 : 宮下さんの方に目をやると、明らかに動揺しており
……って

[メイン] 高鴨穏乃 : オリハの手の動きなどが、どこかせわしなくなっていることに気が付き。

[メイン] 園田美月 : 「あっ、わ、私が取ってくるわ
 ら、ライター! ライターとか見つかったかしら?」

[メイン] 園田美月 : 「すぐに燃やすわよ!」

[メイン] 宮下 愛 : そう、宮下愛は自らをさらすことには抵抗がないくせに。
割と真面目だ。その本を見て明らかに動揺している。

[メイン] 高鴨穏乃 : 「……美月さん?オリハさん、どうか、したんでしょうか……?」
美月の方へ寄り、耳元でコソコソと。

[メイン] 園田美月 : 「えっ えっ えっ? ……」
ふと オリハの視線が本の方ではなく
もっと別の、何かを探しているようにも見えて

[メイン] オリハ : 「ライターは…まだ見つかってなくて…」
そう言ってポケットに何回か手を入れて。

[メイン] 園田美月 : 「オ、オリハさん? どうかしたの?」

[メイン] オリハ : 「…え?」

[メイン] 宮下 愛 : 硬直がぴしーん、と割れて。

[メイン] 高鴨穏乃 : 「………?」
オリハの、ポケットの方に視線を動かしながらも

[メイン] 高鴨穏乃 : 首を傾げながら。

[メイン] 宮下 愛 : 「……?」
オリハの行動に、はてなマーク。

[メイン] オリハ : 「あ…えーと…」

[メイン] オリハ : こんな時に言うことじゃないかもしれないけれど…と前置きして

[メイン] オリハ : 「大切にしていた…十字架を失くしちゃったのよ」

[メイン] 高鴨穏乃 : むむっ、と口を閉ざしながら。
落ち着きのない様子を見せるオリハのことが心配になり。

[メイン] 園田美月 : 「え───」
そういえば、オリハさん
いつも十字架を持ち歩いて……けれど今はそれが見当たらない

[メイン] 園田美月 : この砂浜のどこにも。

[メイン] 園田美月 : 影も形も。

[メイン] 高鴨穏乃 : 「う、うぇええっ……!?十字架、ですか……!?それって、オリハさんがいつも大事にしてる……!!」

[メイン] 宮下 愛 : 「うえっ……マジで…!?身に着けてる、アレ…だよね…?」

[メイン] 高鴨穏乃 : あたふたと、美月と同じように砂浜中を見渡す。
けれども、どこにも無く……。

[メイン] オリハ : それはエンコルピオンという首にかけるロザリオの一種で、妹からの預かりものであることを軽く説明する。

[メイン] 宮下 愛 : 「…ここに来てから、見つけた……?」

[メイン] 園田美月 : 「"妹"さんからの……?」

[メイン] オリハ : 「いや…最後に見かけたのは…」

[メイン] 宮下 愛 : ごくり、と唾を鳴らして。

[メイン] オリハ : 「船から投げ出されて…祈っていた時…」

[メイン] 高鴨穏乃 : 「………!!じ、じゃあ……」
ごくりと、渇いた喉を鳴らしながら。

[メイン] 宮下 愛 : オリハの顔、そして家族からの預かりものという事を聞いて重大さが大きく。

[メイン] オリハ : 「ええ…今頃海の藻屑になっているかも…」

[メイン] 高鴨穏乃 : その後の言葉が紡げず、だんまりとしてしまう。
悲しげな表情をしながら、視線も下の方へ……。

[メイン] 高鴨穏乃 : ぎゅっと、拳を握り締め。

[メイン] 高鴨穏乃 : 「ぅ……そ、それは………それは……!!……まだ!!分かんないかも!!……です!!」

[メイン] 高鴨穏乃 : オリハの方へ、一歩詰め寄り。

[メイン] 宮下 愛 : う……と、口が閉ざされていたが。

[メイン] 園田美月 : オリハさんの片方無い靴を見ながら。
───なんで彼女ばかり、こんなに失って…………ひどい……

[メイン] 園田美月 : 「!」

[メイン] 宮下 愛 : 「……!」

[メイン] 園田美月 : 「高鴨さん……!」

[メイン] オリハ : その言葉に、ハッと彼女の方を向く。

[メイン] 宮下 愛 : シズの言葉に、ハッとさせられる。

[メイン] 高鴨穏乃 : 「そ、そうですよね!愛さんも……美月さんも!!」

[メイン] 高鴨穏乃 : 「そう、思いますよね……!?」

[メイン] 園田美月 : 「……そ、そう!
 そうよ! まだ"わからない"わ! オリハさん」

[メイン] 宮下 愛 : そしてこくり、頷く。腕組みをしながら。

[メイン] 高鴨穏乃 : 悲しいは、嫌だ!
愛さんが教えてくれた……"楽しい"こそが、私達がこうして過酷な環境でも
頑張って生きていくための……糧になるんだから!

[メイン] 宮下 愛 : 「う、うん…!もしかしたら、島の反対側に流れ着いてるかもだし…!」

[メイン] 高鴨穏乃 : どんな大きな"山"だって……私は!登ってきたんだから……!
だから、ここも……!!

[メイン] 園田美月 : 「きっと、砂浜の中で衝撃で埋まっちゃったのかもしれないし
 それに違うところに流れ着いているのかも……! ね」

[メイン] 高鴨穏乃 : 「だから……オリハさんも!!……諦めないでください!!」

[メイン] オリハ : 「で、でも…助けを求める方が重要だし…みんな…?」

[メイン] 園田美月 : 宮下さんの方にこっそり目をやる。
希望は捨てないでおこう、だったわよね!

[メイン] オリハ : 「諦め…ない…?」

[メイン] 高鴨穏乃 : 「それはそれ!これはこれ!ですっ!!」
ふんすっ!と鼻息を上げながら。

[メイン] 宮下 愛 : そう、愛さんたちがついた島は、すぐ近くに森がある。
砂浜の面積が小さい、なら逆の方に行けば…あるかもしれない。

[メイン] 高鴨穏乃 : 「みんなで一緒に、ここから脱出する方法を探すのも……確かに、大事だと思ってます!!
 でも私は……オリハさんの、悲しい顔の方が……見たくないんです!!」

[メイン] 宮下 愛 : 美月の目に、力強く頷く。

[メイン] オリハ : 「み…みんな…」

[メイン] オリハ : 「……」
少しだけ押し黙り

[メイン] オリハ : 「お言葉に甘えても…いいのかしら?」

[メイン] 高鴨穏乃 : 「もんっ!!」
強く頷く。

[メイン] 園田美月 : 「ええ 私はオリハさんが笑っている顔が好きだから
 …………いっぱい甘えてくれて いいのよ!」
高鴨さんに続いて、そう頷いた。

[メイン] 高鴨穏乃 : 「えっと、えっと……あ!アレです!!」

[メイン] 高鴨穏乃 : 何かを思い出したかのように。

[メイン] 宮下 愛 : 「もちろん、だって友達だもんね、愛さんたちは”みんな”!」
にっこり、いつもの元気な笑顔を見せて。

[メイン] 高鴨穏乃 : 「─────"汝の隣人を『愛』せよ"!……でしたっけ……?」
途中、自信を無くしながら、愛さんの方へ向きながら。

[メイン] オリハ : 「うん…主の教え」

[メイン] 宮下 愛 : 「……みたい!」
オリハの言葉を受けて、シズへと向き直る。

[メイン] 高鴨穏乃 : その意味は、深くは理解していないが……。
「……これって、友達を大事にしろってことだと、私は思ってるので!
 それは、私も同じ意見なので!!」

[メイン] 高鴨穏乃 : 愛に、ニコッと笑いつつ、オリハにピースサイン。
平和の証を見せる。

[メイン] オリハ : 「皆…本当にいいの?」

[メイン] 園田美月 : 「ええ 良いわよ」

[メイン] 宮下 愛 : 「いいのいいの~!」

[メイン] 高鴨穏乃 : 「はいっ!!」

[メイン] オリハ : 「…私ね、この島に来てからいろんなものを失ってばかりだと思ってた」

[メイン] オリハ : 「でもそれは皆も同じで…それでも、皆は諦めようとはしてないんだね」

[メイン] オリハ : 「だったら、私だって諦めたくない!だって失ってばかりじゃない!」

[メイン] オリハ : 「皆との友情があるんだもの!」

[メイン] 園田美月 : すると、美月は穏乃より前にぐいっと出て。

[メイン] 園田美月 : オリハの手を握る。

[メイン] オリハ : 「…!」
少し、驚きながらも

[メイン] 園田美月 : 「これは私のわがままにも聞こえるかもしれないけれど、ね」

[メイン] 園田美月 : 「私と、二人と、あなたとの友情は……」

[メイン] 園田美月 : 「これからも決して、失わせはしないわ!」

[メイン] オリハ : 「美月さん…!」

[メイン] オリハ : 「ええ、絶対!」

[メイン] オリハ : 手を強く握り返す。

[メイン] 高鴨穏乃 : えへへ……!!

[メイン] 高鴨穏乃 : これでみんな……"楽しい"!!
やっぱり、笑顔が一番!!

[メイン] 高鴨穏乃 : そうだよね?愛さん!

[メイン] 高鴨穏乃 : ……………。

[メイン] 高鴨穏乃 : あ。愛さん……。
そういえば……まだ、胸が……。

[メイン] 園田美月 : 「うふふ」
帰ったら、抹茶のデザートでも食べさせてあげる
というのは、また後で─── ……?

[メイン] 園田美月 : ふと、宮下さんの方に目をやる。

[メイン] 宮下 愛 : シズが見ると、にっこりと笑う愛の顔。

[メイン] 園田美月 : 「あっ! み みみ 宮下さん そのぉ…………」
穏乃の方に目をやる。

[メイン] オリハ : 「ずっとその恰好でいるの?あなたは」

[メイン] 高鴨穏乃 : 「あ、え、えっと、えっと、これは……わ、私がいけないといいますか……!」
あたふたと狼狽えながらも。

[メイン] 宮下 愛 : 「え、あはは~……ば、バレてたか!?誰も反応しないから、てっきり気にしてなかったかと…!」

[メイン] 宮下 愛 : 「……ちな、その~水着とかそこに入ってたり?」
スーツケースに目をやりながら、期待の目。

[メイン] 高鴨穏乃 : 「! はいっ!開けてみますね!」

[メイン] 高鴨穏乃 : choice 無い 普通の水着 スリングショット水着 マイクロビキニ スク水 (choice 無い 普通の水着 スリングショット水着 マイクロビキニ スク水) > 無い

[メイン] 高鴨穏乃 : 「あ~~~~~……な、何も入ってませんでした……あるのですと……あ!」

[メイン] 高鴨穏乃 : そういえば!と思い、ロープを手に取り。
森の出入り口の方へ急ぎ、少し大きめの葉っぱをちぎって。

[メイン] 高鴨穏乃 : 「できましたよ愛さん!!新しい水着です!!」
愛さんの方へ駆け寄り、葉っぱの水着を手渡す。

[メイン] 高鴨穏乃 : 下心など一切無い、純粋な笑顔を向ける。

[メイン] 園田美月 : 「は は ははは……葉っぱぁ!?」

[メイン] 園田美月 : つい、声が出ちゃう美月会長。

[メイン] 宮下 愛 : 「え、ええ~~!?こ、これ!?」
水着よりも布面積が…小さい…!

[メイン] 高鴨穏乃 : どうぞ!と愛へ手渡す!

[メイン] オリハ : 「…大丈夫?かぶれる葉っぱじゃない?」

[メイン] 宮下 愛 : 「あはは~…流石の愛さんでも、この格好は…」
その笑顔に、押され押される。

[メイン] 高鴨穏乃 : 「大丈夫です!これ、食べれる葉っぱなので!」
野生児知識・その1。

[メイン] オリハ : 「そうなんだ」
そうなんだ。

[メイン] 宮下 愛 : 「う、ぅう……それなら、いい、のかな…」

[メイン] 宮下 愛 : どう思う?と言わんばかりに美月へと、顔を向ける。

[メイン] 園田美月 : 「…………」

[メイン] 園田美月 : ここは穏便に事を運んだほうが良い
ここで下手に慌てれば…………

[メイン] 園田美月 : むしろ逆効果───

[メイン] 園田美月 : 「い いい いいいんじゃない?」
 う うん うん! きっと だだだ 大丈夫よ」

[メイン] 園田美月 : 隠せない動揺。

[メイン] 園田美月 : 実際、それしかもう隠す手段もない
タオルとかは無いし、それに私の制服を貸そうにも
すると今度は私が……~~~!!!

[メイン] オリハ : 「まあ…なんとか抑えられるようであれば…いいんじゃない?」

[メイン] 高鴨穏乃 : ニコッ!と自信満々な表情!
穏乃お手製の水着!

[メイン] 宮下 愛 : め、めっちゃ動揺してる……!!え、あれくらい恥ずかしがられるのを着る……んだよね…!?う、う~~ん。

[メイン] 宮下 愛 : シズはめっちゃ見てくるし、オリハもそう言ってるし……。

[メイン] 高鴨穏乃 : 「愛さん!!」
間近でキラキラとした視線を送る。

[メイン] 宮下 愛 : 「……」
引きつってる笑顔。

[メイン] 宮下 愛 : 「ありがたく、もらうね……っ」

[メイン] 宮下 愛 : 震えながらも、水着を手に取って。
その場ですぐさまつける。

[メイン] オリハ : 恥じらいの概念が分からないけど、当人が納得してるのならばいいのだろう

[メイン] 高鴨穏乃 : えへへっ!と、愛さんの役に立てたことに喜びを感じながら。

[メイン] 高鴨穏乃 : 「それじゃあ……!気を取り直して!」

[メイン] 高鴨穏乃 : 「オリハさんの!十字架探し!頑張るぞ〜〜!!」

[メイン] 高鴨穏乃 : お〜〜〜!!と拳を突き上げる。

[メイン] 園田美月 : 「お おおおお~~~~!!!」
と、続いて拳を突き上げる。

[メイン] 宮下 愛 : 「……お、お~~!!」
拳、ちょっとあげる幅が小さい。

[メイン] オリハ : 「お~…」
と、少し恥ずかし気に

[メイン] 園田美月 : …………高鴨さん、本当はわかっててやってるんじゃあ……
なんてちょっと勘繰るが、そういう子じゃないわよね
と思い、目を逸らしたのであった。

[メイン] 園田美月 : もしかすると、この先
今度餌食になるのは───

[メイン] 園田美月 :  

[メイン] 園田美月 :  

[メイン] 園田美月 : 高鴨さん達の見つけた小屋の前を通りながら
足元に気を付けつつ、そして他の三人にも気を配りながら
日が傾いてくる中、向こう側、というよりは別の海岸沿いを探す。

[メイン] 園田美月 : 「オリハさん、大丈夫……?
 ごめんね、ビーチサンダルか何か見つかればよかったんだけど……」

[メイン] 園田美月 : 足元に目をやりながら。

[メイン] オリハ : 「う…うん、大丈夫、日が落ちてきたからあんまり熱くなくなってきたわ」

[メイン] 園田美月 : 「よかった……けれどこのままだと夕方ね……
 きっと今は午後の……4時……5時ぐらいかしら? 日本だったらの話だけど」

[メイン] オリハ : 「そういえば、ここがどこかも分からないのね…」

[メイン] オリハ : 「…日が暗くなってきたらもう今日は探せなくなる…早く見つけなきゃ…あればの話だけど」

[メイン] 園田美月 : 「……オリハさんの祈りにその、オリハさんの言う主はきっと答えてくれるわ
 だから十字架もきっと……待っててくれてるわ」

[メイン] 園田美月 : 「だって、ね? オリハさんの祈りがきっと通じたから
 高鴨さんが私たちを引き寄せてくれたから、こうして私たちは生きてるもの
 これはきっと奇跡というより、必然だと思ってるわ」

[メイン] 園田美月 : 「だから……あるわよ! きっと、じゃなくて
 絶対に、ね?」

[メイン] オリハ : 「必然…」

[メイン] オリハ : 「ええ、私諦めないから!信じるから!」

[メイン] 園田美月 : 「ええ! ……あっ!」

[メイン] 園田美月 : すると目の前が開けて
そこには───別の砂浜が目に飛び込んできた。

[メイン] 園田美月 : 向こう側に着いた、というわけではない
まさかそこまで小さな島というわけでもないだろう。

[メイン] オリハ : 「…凄い、この島にこんなところがまだあったなんて…!」

[メイン] 園田美月 : 「きっと、私たちを導いてくれたのよ
 ───これもオリハさんが諦めないでいてくれたからよ」
ふふふ、高鴨さん、宮下さん、ありがとう、ね

[メイン] オリハ : そして目に入る、客船の残骸。

[メイン] オリハ : 「……!ここにも流れ着いていたのね!」

[メイン] 園田美月 : 「…………」
他に、生存者は……見当たらない
けれど、色々な物が散らばっている。

[メイン] 園田美月 : もしかしたら───

[メイン] 園田美月 : と、その時。

[メイン]   : 彼女たちと同時に、導かれるように現れたのは
一匹の猪だった。

[メイン] 園田美月 : 「あっ」

[メイン] オリハ : 「!?」

[メイン]   : 猪がこちらへと気づくと
少し間をおいて、こちらへと接近してくる。

[メイン] 園田美月 : 「きゃっ……!?」

[メイン] オリハ : 「け、獣…!?」

[メイン] オリハ : 思わず、身体が強張る。

[メイン]   : 獣は美月の方へと向かっていき…………

[メイン] 園田美月 : 「!」
躱そうとするが、運動神経が致命的に悪い彼女は

[メイン] 園田美月 : どう躱せばいいかもわからず

[メイン] 園田美月 : オリハ以上にその身体を強張らせていた。

[メイン] オリハ : 「み、美月さん!逃げて!」
なんとか声を絞り出して、呼びかける。

[メイン] 園田美月 : 「!」

[メイン] 園田美月 : そのまま転がるように、なんとか

[メイン]   : 猪に突進される寸前に美月は見事、いやギリギリ躱す。

[メイン]   : 「ブルルルルッ…………」
自然界のエンジン音を嘶かせ

[メイン]   : 今度はオリハの方を睨みつける。

[メイン] 園田美月 : オ オリハさん───……!

[メイン] オリハ : 「ひっ…」

[メイン] オリハ : 一歩、二歩下がろうとして

[メイン] オリハ : 砂に足を取られる。

[メイン] オリハ : 「あっ…!」
そのまま尻もちをついた視線の先には…

[メイン] オリハ : 獣が、嘶いていた。

[メイン] 園田美月 : (どうすれば、どうすればいいの?
 …………猪は確か、臆病な生き物で……)

[メイン] 園田美月 : (オリハさんは、今猪から目を背けず
 背中を向けずに、目を合わせている……)

[メイン] 園田美月 : (あの子は猪に対して刺激なんか、まだしてない)

[メイン] 園田美月 : (そして猪は……)

[メイン] 園田美月 : すると、美月はそのまま呼吸を整えて
オリハの方を見ると

[メイン] 園田美月 : そのまま、じっと見つめて
動かないように、アイコンタクトを送る。

[メイン] 園田美月 : あくまで、アイコンタクト。

[メイン] 園田美月 : 届かない時はその時。
大きな声をあげて、私を標的に……。

[メイン] オリハ : ずさり、ずさりと後ずさりをしていたオリハは、その視線を見て動きを止める。

[メイン] オリハ : 諦めないし、信じる。

[メイン] オリハ : その時の言葉を聞いてくれた時と、同じ目だったから。

[メイン]   : ───猪は嘶きながらも
動きを止めたオリハに未だに突進はしない。嘶きもやめてはいないが。

[メイン] 園田美月 : お願い……お願い……

[メイン] 園田美月 : お願いお願いお願い……

[メイン] 園田美月 : お願いだから───

[メイン] 園田美月 : その時、園田美月の手にふと何かの感触が伝わり
ふとそれを握りしめる。

[メイン] 園田美月 : あなたを傷つけないから
誰も……オリハさんを、傷つけないで───…………!

[メイン] 園田美月 :  

[メイン] 園田美月 :  

[メイン]   : すると猪は、ピクリと何かに反応したかのように周囲を見渡すと

[メイン]   : そのまま、今度は森の中に導かれるように
駆けていった。

[メイン]   :  

[メイン]   :  

[メイン] 園田美月 : 「…………はぁ………はぁ、はぁ……!」

[メイン] 園田美月 : せき止めていた息が傾けたように出てくる。

[メイン] オリハ : 「た…助かったの…?」

[メイン] 園田美月 : 「…………」
涙を滲ませて、今更早鐘を打つ心臓が
オリハが無事だった事を知らせる。

[メイン] 園田美月 : 「よかった……!
 オリハさん───……!」

[メイン] オリハ : 「う…う…」

[メイン] オリハ : 膝立ちでずりずりと近づいて

[メイン] オリハ : 「怖かった…怖かったよお…!」

[メイン] オリハ : そのまま飛びつくように抱き着いた。

[メイン] 園田美月 : ふと、伝わってくる体温
そして鼓動、脈拍…………私ったら敏感なのかしら
彼女が今、生きている事をしっかりと確認すると

[メイン] 園田美月 : 「うん、うん……!
 怖かったわね……でも、もう大丈夫よ」

[メイン] 園田美月 : オリハの背中を撫でる。

[メイン] オリハ : 乾いてごわごわになった服も、結晶化した塩も全部全部こすりつけるように美月さんの胸で泣きじゃくる。

[メイン] 園田美月 : 「よく頑張ったわね……うん……
 オリハさん……」

[メイン] 園田美月 : こすりつけられた塩を洗い流す
滝のような汗。これは私の汗。

[メイン] 園田美月 : ふと───先ほど彼女の助けを"祈った"時に
握りしめた感触を思い出す。

[メイン] 園田美月 : その感触の正体に目をやると。

[メイン] 園田美月 :  

[メイン] 園田美月 :  

[メイン] 園田美月 : 「……また、祈りを叶えてくれたのね」

[メイン] オリハ : 「…え?」

[メイン] 園田美月 : 美月の視線の先には

───沈みゆく日に照らされる

[メイン] 園田美月 : "妹"からの預かりもの。

[メイン] オリハ : 「もしかして…」

[メイン] オリハ : 忘れもしない、その輝きは。

[メイン] オリハ : 風雨に晒されてボロボロになりながらもしっかりと

[メイン] オリハ : 聖なる十字架を象っていた。

[メイン] 園田美月 : 美月がそれを拾い上げると
それをオリハに。

[メイン] 園田美月 : 「よかったわね……!」

[メイン] 園田美月 : 満面の笑みを浮かべて、空いている片手でオリハを撫でる。

[メイン] オリハ : 「…あ、ありがとう…ありがとう…美月さん…」

[メイン] オリハ : 撫でられながらおそるおそる十字架を手に取って。

[メイン] 園田美月 : 「様になったって奴かしらね……なんて、ちょっとおふざけが過ぎたわね
 これで、また祈りを届けられるわね」

[メイン] 園田美月 : 未だ身体を伝わる、オリハの体温
そして未だに美月の中で早鐘を打つ心臓の鼓動。

[メイン] 園田美月 : ───これで全てが丸くおさまって
なのに……何故かしら……ね?

[メイン] オリハ : 温かい、そしてとても安心する温度に包まれながら、十字架を切る。

[メイン] オリハ : 主への思い、神の子への思い、精霊への思い、そして…

[メイン] オリハ : 妹への思い、シズちゃん愛ちゃんへの思い…

[メイン] オリハ : 美月さんへの思い。

[メイン] 園田美月 : 「…………」
沈みゆく日はあっという間に海の果てで、じゅっ、と音を立てたかのように消えていくと
入れ違うように───満天の星空が徐々にその姿を現した。

[メイン] オリハ : Κύριε Ἰησοῦ Χριστέ, Υἱέ τοῦ Θεοῦ, ἐλέησόν με τὴν ἁμαρτωλόν.(主よ、神の子よ、我、罪人を憐れみ給え)

[メイン] オリハ : 星空を眺めながら、祈りの言葉を唱えた。

[メイン] オリハ : 手に持った感触と、私を包む感触を忘れないように覚えながら。

[メイン] 園田美月 : 「───…………」
夜ね、そろそろ戻りましょう
……と言うべきなのに、何故だかそういう気分は乗らない。

[メイン] 園田美月 : 彼女がこうして抱き着いてきて
そしてこうやって、伝わってくる何もかもが離れていくのが
何か恋しい感じがした。

[メイン] 園田美月 :  

[メイン] 園田美月 : 恋しい?

[メイン] 園田美月 : 恋しい───……

[メイン] 園田美月 : ああ、やっぱり

[メイン] 園田美月 : この感情は、きっと

[メイン] 園田美月 : …………私も罪人かしら、ね。
罪の前に、大をつけないと足りないかもしれない。

[メイン] 園田美月 : 彼女にこの気持ちを伝えたら
彼女の祈る主はどう思うのだろう?
私は彼女に背かせてしまう可能性もある、いやそれもきっと高望み

[メイン] 園田美月 : 「ねえ、その……オリハさん
 フフ……ちょっといいかしら」

[メイン] オリハ : 「何かしら…美月さん」
少しづつ涙は止まっていて。

[メイン] 園田美月 : そんな涙が止まっていくのを見計らって
最後の潤みの隙に───

[メイン] 園田美月 :  

[メイン] 園田美月 : 彼女の額に口づけする。

[メイン] 園田美月 :  

[メイン] 園田美月 : 「…………」
これは事故なんかじゃない。

[メイン] 園田美月 : 私が勝手にやった事。

[メイン] 園田美月 : 私は罪深い───わね。

[メイン] オリハ : ふふ。これもまた、見られているのでしょうか。

[メイン] 園田美月 : 「───オリハさん、わがままを言っていいかしら?」
さっきのも、わがままも良いところだけど

[メイン] オリハ : 「ええ…だってあなたは、諦めずに私の願いを叶えてくれたんですもの」

[メイン] オリハ : 「なんなりと」

[メイン] 園田美月 : 「───!」

[メイン] 園田美月 : 今度は潤んで、霞む事もないであろうその瞳を見て
私はもう決して、目を逸らす事もなく。

[メイン] 園田美月 : 「…………」

[メイン] 園田美月 : 「好き」

[メイン] 園田美月 : 「と言わせてくれないかしら?」

[メイン] 園田美月 : 事後。

[メイン] 園田美月 : こんなのは事後だけど。

[メイン] 園田美月 : いいわよね───また甘えさせてもらったわ。

[メイン] オリハ : 「ええ…美月さん」

[メイン] オリハ : 「私も、あなたのこと『好き』よ」

[メイン] オリハ : それは、とても曖昧な言葉で。

[メイン] オリハ : でも、だからこそ、この捉えられない思いをそのまま伝えられるような気がしたの。

[メイン] 園田美月 : ───…………

[メイン] 園田美月 : 私は、その『好き』を言葉で
そしてもっと別の、何かで捉えた途端

[メイン] 園田美月 : オリハさんの身体をぎゅうっと、こちらから抱きしめた。

[メイン] 園田美月 : ずっと、このままでいたい……!

[メイン] オリハ : そっと、その思いを受け止める。

[メイン] オリハ : 優しく抱きしめて、頭に手を乗せる。

[メイン] オリハ : まるでさっきまでとは立場が逆になってしまったようで。

[メイン] 園田美月 : 私ったら、おかしいわね
涙まで、ボロボロこぼして。

[メイン] 園田美月 : 本当に、オリハさんと真逆になっちゃったわね……。

[メイン] 園田美月 : ……オリハさん、私を憐れんでくれて、ありがとう。
そう心の中で卑下するように呟くと。
ごめんね、わがまましちゃってと言わんばかりに、抱きしめる力を緩めようと

[メイン] オリハ : ダメよ、もう少しだけ…

[メイン] オリハ : だって、まだ…まだ…星空しか見てないから…

[メイン] 園田美月 : ……そのまま、また先ほどのように強く抱きしめると
乾いてごわごわの服の匂いがより鼻孔を擽った。これが彼女の香り。
そして……この手に伝わる感触が彼女の感触。

[メイン] 園田美月 : この世界に二人とない、オリハさんだけの香りと感触。

[メイン] 園田美月 : そしてそれは今は、私だけが感じられる。
そしてきっと逆に、今の私の事を感じられるのは───

[メイン] オリハ : そっと、こちらからも額にキスをした。

[メイン] 園田美月 : 「……」

[メイン] 園田美月 : 「ぇ」

[メイン] 園田美月 : ぼんっ、とまるで音を立てたように。

[メイン] 園田美月 : 美月の顔が桜に近い薄紅色に染まる。

[メイン] 園田美月 : 「あっ あっ お オリハさん
 ……オリハさん……オリハさん…………好き」

[メイン] 園田美月 : 「好き 好き 好き…… 好き……」

[メイン] 園田美月 : いっぱい甘えなさい
かつての言葉がまるで言い訳のように私の中を駆け巡りながら。

[メイン] 園田美月 : そう耳元で囁き続ける。

[メイン] オリハ : 「ええ…私も『好き』」

[メイン] オリハ : 眼を閉じ微笑みを湛え、そう呟く。

[メイン] 園田美月 : ───満天の星空に見下ろされながら
私は何度も繰り返し、そして彼女は一言呟き返し
静かにそれを聞き入れてくれる。

[メイン] 園田美月 : それが何分続いたのだろうか、それが何分単位だった事はハッキリしている。

[メイン] 園田美月 : けれど、私にとっては少なくとも何時間にも思えて仕方なかった。

[メイン] 園田美月 : 「…………ふぅー…………」
と、区切るように一息ついて

[メイン] 園田美月 : 「ありがとう、オリハさん」

[メイン] オリハ : 「ええ…本当に…エンコルピオンを見つけてくれて、こちらこそ感謝してもしきれないわ」

[メイン] オリハ : 十字架をそっと美月さんの目の前に掲げる。

[メイン] 園田美月 : 「……私もね、"妹"がいるのよ」

[メイン] 園田美月 : 「あなたも、妹さんの事を大事に思っているのね」

[メイン] オリハ : 「ええ…本当に、目に入れても痛くない子」

[メイン] 園田美月 : 「ふふふ……ぜひとも会いたいわね
 私の妹も呼ぼうかしら? 帰ったら……お口に合うかわからないけれど」

[メイン] 園田美月 : 「高鴨さんと宮下さんも呼んで……ね
 抹茶パーティーでもしましょう」

[メイン] オリハ : 「うん…だから…」

[メイン] オリハ : 「帰らなきゃ、ね」

[メイン] 園田美月 : 「ええ───…………?」

[メイン] 園田美月 : すると、美月の視界の端に
何かがちらと見える。

[メイン] オリハ : 「…?」

[メイン] 園田美月 : 名残惜しみながら、オリハから少しだけ離れると
その視界の端に映ったそれをひょいっと拾い上げ、海水で塗れた砂を落とすと。

[メイン] 園田美月 : オリハの方へ振り返って、膝で立つ。

[メイン] 園田美月 : 「フフフ これも届けてくれたようね」

[メイン] 園田美月 : 「オリハさん──」

[メイン] 園田美月 : 美月の手に乗せられていたそれは

[メイン] 園田美月 : 欠けていた思い出の───

[メイン] 園田美月 : 『靴』だった。

[メイン] オリハ : 「…………!」

[メイン] オリハ : 思わず息を吞んだ。

[メイン] オリハ : それは、2人だけじゃない、

[メイン] オリハ : 皆との思い出。

[メイン] 園田美月 : 欠けた思い出が、今戻っていく。

[メイン] 園田美月 : 「これで、もう大丈夫ね」

[メイン] 園田美月 : 再び、この思い出と共に歩めるのだから。

[メイン] オリハ : 「うん…でも」

[メイン] オリハ : 「私もわがままが増えちゃった」

[メイン] 園田美月 : 「……」

[メイン] 園田美月 : 「うふふ」

[メイン] 園田美月 : 「私もよ まだまだわがままが増えちゃって……」

[メイン] 園田美月 : すると、美月は髪飾りを一つ外し。

[メイン] 園田美月 : オリハへとその花を渡らせる。

[メイン] オリハ : 「…これは?」

[メイン] 園田美月 : 「私のお気に入りの髪飾りよ
 妹の好きな……私も好きな白いマーガレットの髪飾り」

[メイン] 園田美月 : 「オリハさんにも、髪飾りだけど
 この花をあげたいわ」

[メイン] オリハ : 「うふふ…ありがとう」

[メイン] オリハ : 「ねえ、美月さん」

[メイン] オリハ : 「これは2人だけの秘密なのだけれど」

[メイン] 園田美月 : 「───」
オリハの方に目を合わせると、そのままゆっくりと立ち上がって。

[メイン] オリハ : 「私ね、オリハっていうのは本名だけど昔は別の名前で呼ばれてたんだ」

[メイン] オリハ : 「その名前はチチャク…」

[メイン] オリハ : 「花、って意味なの!!」

[メイン] 園田美月 : 「───それならマーガレット……
 本当に『チチャク』にもきっと似合うわよ!」

[メイン] 園田美月 : すると渡らせた花をまたこの手に戻したと思えば

[メイン] 園田美月 : オリハの髪にすっと、つける。

[メイン] オリハ : そっと付けられた花の飾りは…

[メイン] 園田美月 : 美月の瞳に、眼鏡に
微かに髪飾りをつけたオリハの姿が見える。

[メイン] オリハ : 星空の中、2つ、誇らしげに咲いていた。

[メイン] 園田美月 : 「うふふ 咲かせちゃったわね」

[メイン] 園田美月 : 満面の笑みを咲かせて、オリハを撫でる。

[メイン] オリハ : 「ええ、咲いちゃったみたい」

[メイン] 園田美月 : 「ふふふ……じゃあ今の事は二人だけの秘密
 だけど、その髪飾りはそのままでいいと思うわ
 これも私のわがまま かもしれないけれど ね?」
オリハの手をひいて。

[メイン] 園田美月 : 「行きましょうか!」

[メイン] オリハ : 「うん…そうね」

[メイン] オリハ : いつか、あなたの靴は私が選んであげたいな。

[メイン] オリハ : 少しだけのわがままだけど。

[メイン] オリハ : そうしてお花畑の園を歩みましょう。

[メイン] オリハ : だって、思い出は流されて失うだけじゃなく。

[メイン] オリハ : 歩んで作っていくものなのだから。

[メイン] オリハ :  

[メイン] オリハ :  

[メイン] オリハ :  

[メイン] GM : 『愛』の『花』は、寂れた島においても『咲』く。
そこに想いがあるなら、綺麗に、鮮やかに─────。
─────『救い』は天が与えるものではない。
『隣人』が与えるものなのだから。

[メイン] GM :
トリック
"奇妙"な縁で繋がった少女達の花びらは、きっとどこまでも渡っていくだろう。
『海』を越え、『山』を越え─────。
そうして降り注ぐ、『太陽』の光の下を、ずっと、ずっと。

[メイン] GM :  

[メイン] GM :  

[メイン] GM :  

[メイン] GM : 無人島生活百合卓

[メイン] GM :   -END?-

[メイン] GM :  

[メイン] GM :  

[メイン] GM :